「岡
鹿之助」展 内覧会
4月23日 ブリヂストン美術館
とても温かい感じがした。勿論「岡鹿之助」の絵画がそうである様に。
各展示室の壁面の色は展覧会に合わせて色を塗り替えているのだが、
今回は作品との一体感が、いつもに増してあった。
季節で、作品テーマで分けており、分かり易く理解しやすいのだ。
70点余りの作品数が丁度ゆっくりと鑑賞出来る数かなと思う。
「林」雪を被っている木立を描いた作品。
意外に絵になりそうな題材なのだが、とても難しい。
見事にまとめ上げている。
展示室一面冬景色なので、前室の海や花を見てきて、この作品群に
会うと「うん?季節は今、何」と言う戸惑いさえ出てくる。面白い。
「山麓」発電所を描いたものなのだが、建物の薄いブルーと言うか
エメラルドグリーンを合わせた様な色が素敵だ。
画家の性格が出ているのではないだろうか。とても素直な感じだ。
「群落A」この作品がお気に入りだ。屋根と煙突がキャンバス一杯に描かれている。
これはもう絵画と言うより映画の世界、映画のワンシーンなのだ。
だいぶ前のことだが、黒澤明の「赤ひげ」をもう映画館では上映しないと
東宝が決めたことがあり、あわてて見に行ったことがある。
「赤ひげ」のファーストシーンのタイトルバックが瓦屋根だけの街並みなのだ。
監督が「群集を撮る時にはカメラのフレームからはみだす程、人が必要なのだ」と
話すのを聞いたことがある。まさに、「岡 鹿之助」の街並みはこのことを描き出している。
キャンバスの中に収めずに、はみだしているのだ。これがより大きな引っ張りを
見る人に与えている。素晴らしい。
ブリヂストン美術館のように、こじんまりとしている美術館(と言うとお叱りを
受けるかもしれないのだが)であると、ゆっくり静かに細部まで見ることが出来るのだ。
「廃墟」と言う作品は、近付いて見ると意外な発見がある。
石を積み上げた建物が崩れ朽ちているのだが、金ブラシで引っかいた箇所があり、
そこが本来の石の硬さを無くし崩れ落ちような雰囲気をかもし出している。
「遊蝶花」。今回の展覧会のポスターになった作品でもある。
まずポスターから今までにない感覚のポスターである。
印象派を中心にした展覧会の告知ポスターしか見ていない我々にはとても新鮮に感じた。
作品、書体、それに色合が整っていて分かり易いのだ、とても素敵だ。
さて作品についてだが、手前にある花と、遠くの背景の教会を、人は実際の風景では
同時に見ることは出来ないのだ。どちらかに人の眼はピントを合わせようとするからだ。
これまた映画の話になるのだが、望遠レンズで見えている全ての物を画面に、
ピシャリとピントを合わせ見せる事を黒澤監督は、
『「カメラのフレームに映りこんだものを全部見せる」このことが監督のセンス』
と、言い切っていたように思う。この作品は「岡 鹿之助」が見たものを自分の
レンズに取り込み、画家のセンスでキャンバスに描き出したのだ。
とても奇妙な感じの絵と言うイメージが、今までにない作風なのであろう。
画家のお洒落なセンス、透明感のある素直さ、ある意味で言えば
「岡 鹿之助」はブリヂストン美術館がピッタリの展覧会の場所だったのでは
ないだろうか。
見ていくうちに、説明プレートの色まで異なることに気づいた。
隅から隅までの配慮、安心して作品が鑑賞出来ます。
東京・京橋、に是非お出かけください。
ブリヂストン美術館 4月26日(土)〜7月6日(日)
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レセプションでいただいた
オードブル。大変美味しかったです。 |
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